厚生労働省の先進医療会議は2日、インフルエンザの新しい遺伝子診断法を先進医療(用語解説)とすることを認めた。12月から先進医療として実施される予定。
今回先進医療に認められたのは、鹿児島大が申請していた「糖鎖ナノテクノロジーを用いた高感度ウイルス検査法」。現在保険収載されているインフルエンザ検査法に抗原診断のイムノクロマト法と遺伝子診断のLAMP法があるが、新検査法はウイルス粒子よりも小さなナノ粒子を用いて、検体中の微量なウイルスを捕捉濃縮精製することにより、イムノクロマト法の50万倍の感度があり、LAMP法に比べて簡便で20分以下で検査が終了するという。また、高感度であることから唾液などウイルス数が極端に少ない検体でも検査でき、現在インフルエンザの検査で一般的な鼻腔粘膜スワブを使用する必要がなく、非侵襲性の検査が可能になる。
鹿児島大では2020年まで3年間、先進医療として実施する中で高感度のイムノクロマト法との比較試験を行い、薬事申請を行う方針。
なお、この先進医療の費用は5700円(施設負担3500円、企業負担200円、患者負担2000円)。