株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

(1)高齢者における降圧薬の選択 [特集:ここに注意する高齢高血圧患者治療]

No.4785 (2016年01月09日発行) P.18

大石 充 (鹿児島大学心臓血管・高血圧内科学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-31

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • next
  • 非薬物療法は積極的に行うべきであるが,QOLに配慮して個々に方針を決定する

    降圧薬治療の第一選択薬は非高齢者と同様にCa拮抗薬,ARB,ACE阻害薬,少量の利尿薬とする。一般に常用量の1/2量から開始する。降圧効果が不十分な場合はこれらの併用を行う

    合併症を伴う場合は,個々の症例に最も適した降圧薬を選択する

    1. ガイドラインからの提言

    ガイドラインではエビデンスが重視され,第一選択薬としてはACE阻害薬,ARB,Ca拮抗薬,サイアザイド系利尿薬が推奨されている。これは高齢高血圧患者あるいは収縮期高血圧患者を対象に,プラセボ対照比較試験(サブ解析を含む)で有用性が示されたこと,その薬剤との比較対照試験で心血管病抑制効果に差を認めないか,より有用性が示されたことを根拠にしている。サイアザイド系利尿薬(サイアザイド類似利尿薬を含む),β遮断薬,Ca拮抗薬については,プラセボとの比較対照試験で有用性が確認されている(表1)1)
    このうちβ遮断薬は,喘息や高度徐脈が使用禁忌,耐糖能異常,閉塞性肺疾患,末梢動脈疾患が慎重投与となっている。高齢者においてはこれらの合併率が高く,第一選択薬とはなりにくい。また,利尿薬は後述するようにエビデンス的に他剤と比べても遜色ない効果が認められるが,耐糖能障害,高尿酸血症,脂質異常症などへの影響に注意し,これらの副作用を軽減する観点から少量の使用にとどめることが推奨される。

    残り3,993文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
    2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top