中央社会保険医療協議会総会(田辺国昭会長)は10日、在宅医療をテーマに議論を行い、2018年度の次期診療報酬改定で複数の医療機関が訪問診療を行った場合の「在宅患者訪問診療料」について、評価する方針を了承した。
現行の診療報酬では、1人の患者に対して1つの医療機関の医師が在宅患者訪問診療料を算定している場合、別の医療機関の医師が訪問診療を行っても、訪問診療料は算定できない。しかし在宅で療養する患者は複数の疾患に罹患している場合が多く、別の医療機関の専門医に訪問診療を依頼するなど、医療上の必要に迫られた場合でも訪問診療料を算定できないため、中医協では診療側委員が在宅医療の普及を妨げる要因の1つになっているとして、次期改定での見直しを求めていた。
また10日の会合では厚労省が、地域医師会が中心となり、在宅医師によるグループ診療を支援する事業を実施している事例などを説明。こうした現状を踏まえ、増加が見込まれる在宅ニーズへの対応策として、一定の条件付きで訪問診療料を算定できる医療機関を拡大する方針を提案した。
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