社会保障審議会の医療部会と医療保険部会は11日、2018年度診療報酬改定の基本方針を取りまとめた。地域包括ケアシステムの構築を重点課題に位置づけ、かかりつけ医の機能を評価する方向性を示している。
基本方針は改定の基本認識として、「人生100年時代を見据えた社会の実現」「どこに住んでいても適切な医療・介護を安心して受けられる社会の実現(地域包括ケアシステムの構築)」「制度の安定性・持続可能性の確保と医療・介護現場の新たな働き方の推進」に対応する必要性を指摘。その上で、①地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進、②新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の実現・充実、③医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進、④効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上─などの方向を打ち出した。
①の地域包括ケアについては、多職種連携の取り組み等を推進。また、複数の慢性疾患を有する患者に対し、療養環境や希望に応じた診療が行われるよう、かかりつけ医の機能を評価する。さらに、住み慣れた自宅や介護施設など国民が望む場所で看取りを行うことが可能となるための取り組みを推進する。
②質の高い医療を実現するためには、遠隔診療の適切な活用や、医療連携を含めたICT等の有効活用を進める。③医療従事者の負担軽減に向けては、チーム医療を推進するなどして勤務環境を改善。④制度の安定性に関しては、薬価制度の抜本改革や費用対効果の評価、医薬品の適正使用の推進などを列挙した。