社会保障審議会介護給付費分科会は13日、2018年度介護報酬改定に関する議論を「審議報告」として取りまとめた。来年1月末にも審議報告を踏まえて報酬単位が決定する予定。
審議報告は、団塊世代が75歳以上となる2025年に向けて、国民1人1人が状態に応じた適切なサービスを受けられるよう、①地域包括ケアシステムの推進、②自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現、③多様な人材の確保と生産性の向上、④介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保─を柱としている。
このうち、①の地域包括ケアに関しては、中重度の要介護者も含め、どこに住んでいても適切な医療・介護サービスを切れ目なく受けることができる体制の整備を目指す。具体的には、医療と介護の複合的ニーズに対応する「介護医療院」を創設。医療機関との連携に積極的に取り組むケアマネ事業所について入退院時連携に関する評価を充実するとともに新たな加算を創設する。
また、特養の配置医師が施設の求めに応じ、早朝・夜間または深夜に施設を訪問し入所者の診療を行ったことに対する評価を設けるほか、特養で看取った場合の評価を充実させる。さらに、認知症高齢者への専門的なケアを評価する加算を、現在加算が設けられていないサービス(ショートステイ、小多機、看多機、特定施設等)にも創設する。