中央社会保険医療協議会総会(田辺国昭会長)は12日、2018年度診療報酬改定に向けた「これまでの議論の整理」案(現時点での骨子)を了承した。外来については、医療機能の分化・連携を進める観点から、かかりつけ医機能をもつ医療機関の初診を評価する方向性が盛り込まれた。加藤勝信厚生労働相は同日、改定に対する意見を諮問。中医協は今後、2月上旬に予定される答申に向けて議論する。
「議論の整理」案に盛り込まれた主要項目は表の通り。
外来医療に関しては、大病院とそれ以外の医療機関の機能分化を推進するため、紹介状なしで大病院を受診した初診患者や、大病院で継続的な診療の必要性を認めない再診患者から定額負担を徴収する医療機関の対象範囲を拡大。さらに「より的確で質の高い診療機能を評価する」観点から、かかりつけ医機能を有する医療機関における初診を評価する。
外来医療の評価を巡り、診療側は昨年末に提出した改定の個別項目に関する意見書の筆頭に「初・再診料の引上げ」を掲げた一方で、支払側は加算による限定的な評価にとどめるべきとしており、具体的な評価方法を巡る今後の議論の行方が注目される。
地域包括診療料については、患者の同意に関する手続きや受診医療機関の把握を担う実施者の要件を緩和。これまで継続的に受診していた患者が通院困難となり訪問診療を提供している場合の実績の評価を拡充し、24時間の対応体制にかかる要件も緩和する。
入院医療では、急性期医療から慢性期医療に至るまでの入院基本料の評価体系が大幅に見直される。①急性期、②急性期~長期療養、③長期療養―の3つの機能を軸に再編・統合し、看護配置基準や「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)などで評価する「基本部分」と診療実績に応じて段階的に評価する「実績部分」の“2階建て”式とする。
このうち、7対1および10対1入院基本料については、2つを統合した上で、「基本部分」は10対1相当の基準を適用し、最も高い評価となる部分との間に、2段階の中間的な水準の評価を設ける。最も高い評価となる部分には、7対1相当の基準を適用する。