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医療法・医師法改正へ 医師偏在対策はどう変わるのか【まとめてみました】

No.4891 (2018年01月20日発行) P.7

登録日: 2018-01-19

最終更新日: 2018-01-18

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厚生労働省の検討会が約2年にわたり議論してきた医師偏在対策が昨年末に取りまとめられた。これを踏まえ厚労省は22日に召集される通常国会に医師偏在対策を盛り込んだ医療法と医師法の改正案を提出する。法改正により何が変わるのか。制度改正案を5項目に分けて紹介する。

制度改正案の大きな特徴は、都道府県が主体的に対策を行うための権限が大幅に拡大することと、医師のキャリア形成の中で医師不足地域への医師の配置を目指したこと。

対策の背景の1つには地域枠医師の増加がある。2008年度以降、医学部定員は過去最大規模まで増員され、地域枠の数・割合も増加。今後、こうした地域枠医師が順次臨床研修を終え、地域医療に従事することから、地域枠医師がいかに地域に定着するかが課題となっている。

様々な医師偏在対策の土台となるのが、医師偏在指標の導入だ。地域ごとの医師の多寡を全国ベースで客観的に比較・評価可能な指標を国が設定する。この指標に応じて都道府県は、都道府県内の「医師少数区域(仮称)」「医師多数区域(仮称)」を設定。さらに指標を踏まえ、都道府県内において確保すべき医師数の目標を設定し、それを3年ごとに策定する「医師確保計画」に盛り込む。

認定制度を創設へ

厚労省検討会の議論で最も白熱したのは、医師少数区域での診療経験を診療所の管理者要件とするか否かだ。管理者要件とすることを求める意見は根強かったものの、厚労省は、無床診療所の開業規制にはいくつかの法制的・政策的課題があると指摘した。

最も大きい課題は、自由開業制との関係だ。憲法で保障された営業の自由との関係で許容されうるのか整理が必要となる。さらに、被保険者の平等な医療アクセス(法の下の平等)に関して整理する必要性や、新規参入が抑えられ医療の質を改善するインセンティブが低下する懸念、規制導入前の「駆け込み開設」が生じる懸念などもある。そのため厚労省は、無床診療所の開業規制は現時点で困難と位置付けた。

一方で改正案では、医師少数区域での勤務を促すインセンティブとして、医師少数区域で勤務する医師を厚労相が認定する制度を導入する方向だ。

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