群発頭痛は不明な点が多く,その病態は明らかにされていない。近年,群発頭痛は自律神経症状を伴うことから,「国際頭痛分類第2版(ICHD-Ⅱ)」において,「群発頭痛およびその他の三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)」に分類された。また,TACsの機序として三叉神経過剰興奮副交感神経活性化説が提唱された。診断はICHD-Ⅱに準じて行う。薬物治療としては発作期のスマトリプタンと,予防療法としてカルシウム拮抗薬や副腎皮質ホルモンが併用される。
群発頭痛は,片頭痛に比べ稀な疾患とされるが,激烈な頭痛を主訴に,日常診療でたびたび遭遇し経験的治療がなされてきた。頭痛発作は反復周期性があり,発作期は数週〜数カ月続くことが特徴とされる。発症年齢は20〜40歳代で,男性に多い。夜間睡眠中に頭痛発作が起こりやすく,誘発・増悪因子としてアルコール,ニトログリセリンやヒスタミンが知られている。また,群発頭痛患者には,喫煙および飲酒を好む者が多い。そのため,群発頭痛患者の中には,寛解期への移行を,飲酒することで頭痛が誘発されないかどうかで確かめる者もいる。
このように特徴的な臨床像は知られてきたが,その病態は今も不明な点が多く,様々な仮説が提唱されている。しかし,臨床症候および治療機序を完全に説明できる病態生理はいまだ確立されていないのが現状である。
近年,群発頭痛は結膜充血,流涙,鼻漏,発汗など自律神経症状を呈することから「国際頭痛分類第2版(ICHD-Ⅱ)」1) 2) において,「群発頭痛およびその他の三叉神経・自律神経性頭痛(trigeminal autonomic cephalalgias;TACs)」に分類された。
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