□がん治療は在宅・通院へと移行が進み,在宅での除痛・疼痛管理が求められる。ここでは、がんにおける緩和ケアの立場から具体的な実践方法を示す。
□患者自身が痛みをどのように感じているかを評価することが大切である。疼痛による日常生活への影響,パターンと強さ,疼痛の部位と経過,性状,増悪(軽快)因子,治療への反応,副作用等を評価する。
□評価には,①NRS(numerical rating scale):0~10の11段階評価(症状がまったくないときを0,これ以上考えられない痛みを10として評価),②VAS(visual analogue scale),③Face scaleなどを用いる。
□持続痛,突出痛,持続+突出痛などの痛みのパターンを聞くことも大切である。
□疼痛は,内臓痛,体性痛,神経障害性疼痛にわけられる。
□内臓痛:腹部腫瘍の痛みなど局在があいまいで,ズーンと重い鈍い痛み。オピオイドが有効である。
□体性痛:骨転移など,ズキッとする局在の明確な鋭い痛みであり,突出痛に対してレスキューの使用が大切である。
□神経障害性疼痛:ビリビリ電気が走る,しびれる,ジンジンする痛みは,体性感覚神経・神経叢への浸潤による神経障害性疼痛であることが多い。難治性で鎮痛補助薬が必要である。
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