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肺ランゲルハンス細胞組織球症(PLCH)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-11
横山彰仁 (高知大学医学部血液・呼吸器内科教授)
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  • ■疾患メモ

    肺ランゲルハンス細胞組織球症(pulmonary Langerhans cell histiocytosis:PLCH)は20~30歳の若い成人に多い,原因不明の稀な間質性肺疾患である。

    かつて肺好酸球性肉芽腫症,ランゲルハンス肉芽腫,肺ヒスチオサイトーシスXなどと呼ばれた。

    喫煙と関係することが知られており,禁煙が第一の治療である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    症状としては,咳,労作時呼吸困難,全身倦怠感,発熱などが挙げられる。

    しかし,発見の契機としては,症状受診よりも検診等での胸部異常陰影,合併する自然気胸のほうが多いとされる。

    【検査所見】

    身体所見では,胸部聴診にてcracklesを聴取することがある。

    特に有意な血液検査所見はない。

    画像的には上肺優位の粒状影,嚢胞影が特徴であり,PETは比較的早期には陽性である。

    肺機能では通常正常であるが,嚢胞が多くなると拘束性障害,一酸化炭素肺拡散能(DLco)の低下などが生じる。

    気管支肺胞洗浄液中に5%以上のCD1a陽性細胞が存在すれば本症を疑う。

    経気管支的肺生検でも組織学的診断が可能であるが,外科的肺生検が必要となることもある。

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