慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)における最大の外的リスク因子は,たばこ煙への長期曝露である。たばこ煙の長期曝露は肺へのダメージのみならず,動脈硬化も促進させる。そのためにCOPD患者においては心血管疾患が高率に併存することが報告されている。
山形髙畠研究においては,呼吸機能検査で気流閉塞が確認された場合,心血管関連死は3倍に増加し,心筋梗塞死に関しては約6.7倍に増加することが示された1)。呼吸機能の低下は心房細動の有病率を増加させる1)。心不全患者の3割にCOPDが併存し,逆にCOPD患者の3割に心不全が併存する1)。COPD増悪直後に心血管イベントが増加することも報告されている2)。
残り707文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する