〈子宮体癌の分類〉
□Ⅰ型:エストロゲン依存性で子宮内膜増殖症を背景に発生する(類内膜腺癌,粘液性腺癌など)。
□Ⅱ型:エストロゲン非依存性で,主に閉経後の高齢者の萎縮内膜を背景にde novoに発生する(漿液性腺癌,明細胞腺癌など)。
〈子宮内膜増殖症〉
□子宮内膜増殖症のがんへの進行リスクは,組織型により異なる(表1)。
□子宮内膜増殖症(細胞異型なし)からがんへの進行は平均で約10年,異型内膜増殖症では平均で約4~6.7年と報告されている1)。
□90%以上の患者が性器出血や帯下を主訴とし,閉経後不正性器出血の原因として子宮内膜増殖症が約5~10%,子宮体癌が約10%を占める。
□子宮腫大に伴う下腹部不快感や,高齢者の場合は頸管狭窄より子宮留血腫や子宮留水腫をきたし,水様性帯下のみを訴える場合もある2)。
□不正性器出血,過多月経,過長月経のある場合は経腟超音波断層法を施行する。子宮内膜厚の計測で性成熟期15mm以上,閉経期5mm以上の場合は子宮内膜細胞診/組織診を考慮する。
□子宮内膜組織診で子宮内膜増殖症の診断がついた場合は,がんの共存の有無につき子宮内膜全面掻爬術を行う。
□CTで病変の広がり,MRIで筋層浸潤の深さを術前に推定する。
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