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パニック症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-26
貝谷久宣 (医療法人和楽会理事長)
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  • ■疾患メモ

    パニック症(panic disorder)は,この20年間で比較的よく知られた病気となっている。しかし,医療界でこの病気の基本的特質の周知は十分ではなく,診断されても,慢性疾患として十分な治療を受けている患者は少ない。

    パニック症はパニック発作だけの病気ではない。パニック発作が消退してからの症状が見落とされていることが多い。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    パニック発作,すなわち発作性の動悸,発汗,震え,呼吸困難,胸痛,嘔気,めまい,熱感・冷感,しびれ,死の恐怖,抑制力を失う恐怖,現実感消失のうち,4症状以上が不意に理由なく発症する()。

    23_09_パニック症


    最重要事項は,この発作がまた起こる心配を執拗に繰り返す予期不安が必発することである。近年は,症状が3つ以下の不全パニック発作が多いことにも注意を要する。多くの場合,広場恐怖を伴う。これは,パニック発作を起こす可能性のある場所や状況からすぐに逃げ出せない,または助けを求められないことに対する恐怖である。具体的には,遠出恐怖,乗り物恐怖,閉所恐怖,独居恐怖,人ごみ恐怖,などがある。

    【検査所見】

    身体的検査で異常が出ないことが特徴である。ただし,時に心電図で僧房弁逸脱症が見つかることがあるが,これによりパニック症の診断は除外されない。

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