□解離症/解離性障害(dissociative disorder)は,幼少時の被虐待体験や不安定な養育などの心的外傷体験との関連が示唆されている。
□米国精神医学会によるDSM診断分類(DSM-5)では,解離性同一症/解離性同一性障害,解離性健忘,離人感・現実感消失症/離人感・現実感消失障害に大別される。
□数時間~数日間の離人感や現実感消失は健常人でもみられる。
□解離性同一性障害や解離性健忘の患者は自らの健忘に気づいていないことが多いこともあって,正確な有病率を把握するのは難しい。
□複数のパーソナリティ(人格)状態が入れかわり立ちかわり現れ,それらのパーソナリティ間で記憶が共有されないため,社会生活に大きな支障をきたす。
□大半で自殺企図の既往がみられる。
□心的外傷的な出来事やストレス性の強い場面についての記憶を想起できない。
□限局的・選択的な健忘と,全生活史の記憶が抜け落ちた全生活史健忘がある。
□離人感は,「自分が自分でない」「感情が感じられない」などの訴えや,幽体離脱体験などとして語られる。
□診断に益するような特異的な生物学的所見は認められない。上記の症状と心理的な要因を聴取し,診断を確定する。
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