□摂食障害(eating disorder)は,主に神経性やせ症(anorexia nervosa:AN)と神経性過食症(bulimia nervosa:BN)からなる。
□ANは体重や体形についての感じ方の障害,強い痩せ願望や肥満恐怖などのため,不食や摂食制限,あるいは過食しては嘔吐するため,病的な低体重と,これらにより種々の身体・精神症状を生じる。
□BNは自制困難な摂食の欲求を生じて,短時間に大量の食物を強迫的に摂取しては,その後嘔吐や下剤の乱用,翌日の摂食制限,不食などにより体重増加を防ぎ,体重はANほど減少せず正常範囲内か肥満に傾き,過食後に無気力感,抑うつ気分,自己卑下を伴う。
□ANやBNに生じる主な精神症状,行動異常,身体症状を表に示した。
□摂食障害の診断につながる検査所見はない。しかし,低体重や栄養障害,過食や嘔吐により貧血,白血球減少,血清蛋白量の低下,高コレステロール血症,心電図異常,電解質異常(低カリウム血症,低ナトリウム血症など),血清アミラーゼ値の上昇,低T3症候群,視床下部─下垂体系の機能異常,脳波異常,CTやMRIで脳萎縮像などを生じる。
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