著: | 田宮栄治(社会医療法人社団順江会江東病院 副院長,循環器内科部長) |
---|---|
著: | 村川裕二(帝京大学医学部附属溝口病院 第4内科・中央検査部教授) |
判型: | B5判 |
頁数: | 184頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2017年02月13日 |
ISBN: | 978-4-7849-4285-5 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
●一生懸命心電図を読もうとしているのに読めない!?そんな方にお贈りする,心電図の読み過ぎない読み方が学べる本です。
●42例の心電図について,ディスカッション。気心知れた2人のライブ感たっぷりのやりとりから,大事なところ/そうでもないところの"勘ドコロ"が楽しく学べます。(提示した症例は,細部まで実話ですが,プライバシーに配慮して再構成してあります)
●ディスカッションの途中で生じた疑問については,「調べたこと・文献」を付けました。理解を深めるのにお役立て下さい。
CASE 01 正常心電図 症状なく,心電図と心エコーに異常を認めなかった2枝閉塞例
CASE 02 下壁のSTEMI 高度のST上昇を認めた下壁のSTEMI
CASE 03 下壁のSTEMI 対側誘導におけるST低下のほうが顕著であった下壁のSTEMI
CASE 04 前壁中隔のSTEMI 高度のST上昇を認めた前壁中隔STEMI
CASE 05 前壁中隔のNSTEMI 重症3枝病変であったT波軽度陰転のみのNSTEMI
CASE 06 PSVT ATPの急速静注にて15連のVT後,洞調律に戻ったPSVT
CASE 07 PSVT 著明なST低下により,冠動脈疾患の合併が示唆されたPSVT
CASE 08 通常型AFL ベラパミルとピルシカイニドを使用した頻拍性通常型AFL
CASE 09 洞頻拍 運動時に胸痛を訴えた小児の洞頻拍
CASE 10 高齢者のAF ワーファリン使用中の高齢者のAF
CASE 11 PAF 洞調律に戻る際,やや長い休止を生じた頻拍性のPAF
CASE 12 CAVB 心拍数が保たれ,休止もない房室接合部補充調律が続くCAVB
CASE 13 CAVB 心室補充調律が続くCAVB
CASE 14 CAVB 約8秒間補充調律が出なかった発作性CAVB
CASE 15 高度AVB 間欠性の二束ブロックに合併
CASE 16 Ⅱ度AVB 中年以降のWenckebach型Ⅱ度AVB
CASE 17 間欠性AVB QRS脱落前のPR時間がほんの少し延びただけの間欠性Wenckebach型AVB
CASE 18 PR短縮 壮年男性に偶然見つかったPR短縮
CASE 19 ジギタリス中毒 典型的なシナリオ通りに生じたジギタリス中毒
CASE 20 急性心膜心筋炎 NSAIDsで5日後にCRPが陰性化した急性心膜心筋炎
CASE 21 高カリウム血症 高カリウム血症に徐脈+テントT+P波平低化を示した慢性腎不全
CASE 22 高T波と非特異的ST-T変化 “T波の上に指を乗せてもチクチク痛くない”高T波と中年以降の女性に多い非特異的ST−T変化
CASE 23 高度の低P波 将来的にSSS発症が懸念される高度の低P波
CASE 24 低カリウム血症によるQT延長 Torsades de Pointesを生じなかった高度の低カリウム血症によるQT延長
CASE 25 心拍数上昇でST低下 ダブルマスタでST低下が少し遷延した重症3枝病変
CASE 26 心拍数上昇で高度のST低下 もともと軽度のST-T変化があり,心拍数上昇時に高度のST低下を認めた0枝病変
CASE 27 甲状腺機能低下症 ホルモン補充療法により心膜液が消失した3枝病変の甲状腺機能低下症
CASE 28 ホルターで高度SSS 12誘導心電図は異常ないが,ホルターで明らかなSSSを認めためまい症例
CASE 29 抗不整脈薬の副作用 軽度腎機能低下のPAFにサンリズム®を使用した4日後,急に生じたwide QRS
CASE 30 CRBBB 高齢者にみられたCRBBB
CASE 31 CLBBB STEMIと間違えやすい波形を呈した96歳のCLBBB
CASE 32 wide QRS 植え込み後かなりのwide QRSを呈したDDDペースメーカ
CASE 33 ペースメーカ不全 遠隔モニタリングがない時代に,ペースメーカの異常を患者が気付き,事なきを得たリード断線
CASE 34 左室壁在血栓 左室瘤に合併した巨大血栓
CASE 35 肺高血圧症 V1-V4にQS波を認めた著明な肺高血圧症
CASE 36 急性肺血栓塞栓症 肺動脈血栓内膜摘除術を依頼した高度の急性肺血栓塞栓症
CASE 37 肺性P 心電図で予想された通りの肺疾患と体型であった肺性P
CASE 38 ST-T変化を伴わない高電位差 ST-T変化を伴わない高電位差は左室肥大とはいえない
CASE 39 心尖部肥大型心筋症 高電位差で胸部左側誘導にて巨大陰性T波を認めれば,心尖部肥大型心筋症
CASE 40 高血圧性心疾患 クリニカルシナリオ以外の治療によりほぼ正常化した高血圧性心疾患
CASE 41 Brugada型心電図 年に1〜2回のホルターで経過観察が行われていたBrugada型心電図
CASE 42 OMIに合併したVT EFが著明に低下し,心不全とVT,VFによる失神を起こしたOMI
序
心電図は循環器診療の入り口。
2011年に出版した『捨てる心電図 拾う心電図』では,ありふれた心電図について,治療を急ぐのか,のんびりしていていいのか二人でディスカッションしました。
ご好評に感謝。
そして,第二弾──
『深読みしない Dr.田宮&Dr.村川の心電図ディスカッション』をお送りします。
基本的な<心電図の読み方・診断・治療>を解説しました。
議論している中で生じた疑問点は,ガイドラインや論文で調べました。
ぜんぶ本当のストーリー。
<本音>や<雑談>も,<よくわからないと悩んだこと>もそのまま。
「現場で役立つ知識」だけでなく,「心電図を楽しむヒント」も載っています。
私たちは30年前に同じ病院で働き,心カテも一緒に行った仲間です。長い年月を経て『捨てる心電図・拾う心電図』の本づくりで再会しました。
幸運な経験。
そして,もう1冊。
欲張りですね。
この本も,皆さんにも楽しんで頂けると嬉しいです。
2016年師走 田宮栄治,村川裕二