監修: | 阿部達生(京都府立医科大学名誉教授) |
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編著: | 谷脇雅史(京都府立医科大学血液・腫瘍内科教授) |
編著: | 横田昇平(京都府立医科大学血液・腫瘍内科准教授) |
判型: | B5判 |
頁数: | 432頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2012年07月10日 |
ISBN: | 978-4-7849-4237-4 |
版数: | 第2版 |
付録: | - |
診療科: | 内科 | 血液内科 |
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シリーズ: | New専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ シリーズ |
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1.赤血球系
CASE 01:鉄欠乏性貧血(IDA)
CASE 02:巨赤芽球性貧血
CASE 03:再生不良性貧血(AA)
CASE 04:自己免疫性溶血性貧血(AIHA)
CASE 05:発作性夜間血色素尿症(PNH)
2.骨髄球系
CASE 06:急性骨髄性白血病(FAB M0)
CASE 07:急性前骨髄球性白血病(FAB M3)
CASE 08:急性巨核芽球性白血病(FAB M7)
CASE 09:骨髄異形成症候群(MDS)
CASE 10:治療関連白血病(t-AML)
CASE 11:慢性骨髄性白血病(CML)
CASE 12:真性赤血球増加症(PV)
CASE 13:慢性好酸球性白血病(CEL)
3.リンパ球系
CASE 14:乳児急性リンパ性白血病
CASE 15:Ph陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)
CASE 16:成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)
CASE 17:慢性リンパ性白血病(CLL)
CASE 18:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
CASE 19:ホジキンリンパ腫(HL)
CASE 20:未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)
CASE 21:リンパ腫関連血球貪食症候群(LAHS)
CASE 22:節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型
CASE 23:濾胞性リンパ腫(FL)
CASE 24:Intravascular large B-cell lymphoma(IVLBCL)
CASE 25:Extranodal marginal zone lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue
(MALTリンパ腫)
CASE 26:多発性骨髄腫(MM)
4.血小板・凝固系
CASE 27:血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
CASE 28:特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
CASE 29:播種性血管内凝固(DIC)
CASE 30:抗リン脂質抗体症候群
5.造血幹細胞移植関連
CASE 31:非血縁者間骨髄移植
CASE 32:血縁者間末梢血幹細胞移植
CASE 33:ミニ移植
CASE 34:臍帯血移植
CASE 35:造血幹細胞移植後の合併症対策
本書の初版は1995年である。恩師・阿部達生京都府立医科大学名誉教授により編集され,以来17年間にわたり血液疾患の専門医を目指す多くの若い医師に支援されてきた。
この間,血液疾患の領域で成された最も大きな進歩は分子標的治療法の開発である。同時に,次世代シーケンサーによる全ゲノムの塩基配列決定は,腫瘍細胞に生じた膨大な数の遺伝子異常を網羅的に同定し俯瞰することによって,個別化治療への道を開こうとしている。人類としてみた場合の個別化治療の是非はおくとしても,新技術によって難治性疾患の病態が詳細に解析され,適切な先端的医療を選択することで高い確率で治癒が望めるようになってきた。このことは,血液内科医が活躍する場を大きく広げている。したがって,最新の知見に対する正確な知識と理解が優れた臨床医の基礎となることに異論はないと思う。
今回の改訂第5版の刊行は,分子標的治療薬や造血幹細胞移植の進歩による血液腫瘍の著しい治療成績の向上に触発されたものである。特に,多発性骨髄腫では,プロテアソーム阻害薬,免疫調節薬,モノクローナル抗体などの新規治療薬の開発が加速しており,これらの併用によって深い寛解が得られ,治癒も期待できるようになってきた。本書でも,血液腫瘍の症例では分子標的治療薬の記述に力点が置かれている。一方,鉄欠乏性貧血など全身疾患によって血液の性状に変化をきたす病態についても,鉄代謝を制御するマスター因子であるヘプシジンの発見など興味ある知見が得られており,診療に活かされている点も強調したい。
臨床医学では症例から学ぶ姿勢が非常に重要であり,ケーススタディは効率的な学習法として定着している。今回の改訂にあたり,分担執筆者各位のご理解によって最新の知識を盛り込んで頂いた。さらに,前版からの問題集も充実させることができた。この35症例をもとに学習し血液内科の面白さを実感して頂き,若い医師諸兄姉が血液専門医を選択することに寄与できれば執筆者一同望外の喜びである。
2012年7月
編者