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しくじり症例から学ぶ!Difficult Patient対応技法【電子版付】

経験豊富な執筆陣が,「しくじり症例」と「対応技法」をシナリオ形式で解説!

定価:3,960円
(本体3,600円+税)

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編: 鋪野紀好(千葉大学医学部附属病院総合診療科/総合医療教育研修センター)
判型: A5判
頁数: 278頁
装丁: 単色
発行日: 2021年01月18日
ISBN: 978-4-7849-7382-8
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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◆Difficult Patient(困った患者)にどのように対応すべきか。

経験豊富な執筆陣が、「しくじり症例」と「対応技法」をシナリオ形式で解説。

明日からの診療に活かせる1冊!


医師が患者を“Difficult Patient(困った患者)”と感じる要因は、決して患者のみにあるのではなく、環境要因、ひいては医師要因が関与しています。本書の目的は、医師がDifficult Patientに適切に対応し、患者中心の良質な医療を提供するために必要なスキルを獲得すること。「怒っている患者」「ノン・アドヒアランス」から「悪い知らせ」を伝える場面まで、様々な場面でついやってしまう“しくじり症例”と、それではどう対応すべきだったのかという具体的な技法を、要因分析とともにシナリオ化。若手医師からベテラン医師まで、明日からの診療に活かせる1冊です!

診療科: 総合診療

目次

第1章 総論 Difficult Patientにどう対応するか 鋪野紀好
第2章 クリニカルシナリオ
●怒っている患者 
1 長い待ち時間に対して怒っている患者 鋪野紀好
2 医師の態度,説明に対して怒っている患者 鈴木有大・志水太郎
3 人格障害で話がまとまらない患者 石塚晃介
●ノン・アドヒアランス
4 服薬の遵守が困難な糖尿病患者 横尾英孝
●治療関連のトラブル
5 高血圧の治療に不満を持っている患者 佐々木陽典
6 民間療法について相談してきた肺がん患者 笠井 大
●薬剤処方希望
7 睡眠薬を求めてくる患者 吉村健佑
8 まだあるはずの薬を何度も欲しがる患者 篠塚愛未
9 無症状だが漢方薬の処方を強く求める高齢女性患者 田木聡一
●頻回受診
10 救急外来の頻回受診患 田中 駿・舩越 拓
●精神疾患・パーソナリティ
11 意識はあるのに意識がないと運ばれてきた患者 和足孝之
12 医学的に説明がつかない症状の患者 原田 拓
13 修正困難な思い込みのある患者 山下 駿・多湖雅毅
●多愁訴
14 不定愁訴の多い,術後のがん患者と家族 山本竜也
15 主訴が多数ある患者 森川 暢
●アルコール問題
16 酔って暴れる患者 志賀 隆
●外国人患者
17 言葉の壁,文化の壁がある外国人患者 徳田嘉仁
●医療者の受診
18 自信満々に自己診断してきた先輩医師 宮上泰樹
●コミュニケーション困難
19 対応困難と事前にラベリングされている患者 遠井敬大
20 意思決定が困難な身寄りのない高齢患者 下川純希
●話が長い患者
21 質問が多くて話が途切れない患者 柴田綾子
●患者の付添人
22 入院を強く希望する患者・家族 坂本 壮
23 治療は終わっているのに退院の話し合いに応じない家族 小杉俊介
24 「全部調べて下さい」と希望する家族 李 宇
25 意見が対立する複数の付添人 富田詩織
●悪い知らせ
26 プライマリ・ケアの現場で重大な知らせを伝える 西澤俊紀・近藤敬太

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序文

Difficult Patient(困った患者)と出会ったとき,「今日はついていない」「ハズレを引いてしまった」といった感情を抱いたことはないでしょうか。かく言う筆者自身も,かつてはそう感じていた1人です。しかし,Difficult Patientと感じる要因は,決して患者のみにあるのではなく,環境要因,ひいては医師要因が関与しています。さらに,Difficult Patientの症例では,患者のアウトカムが悪化してしまうことが知られています。患者中心の良質な医療を提供するために必要な技法を身につけ,Difficult Patientに対応できなければなりません。本書は,その技法の獲得を目的としています。
本書は,我々医師が様々なシチュエーションで遭遇するであろう“しくじり症例”をシナリオとして提示しています。しくじり症例はネガティブなイメージで捉えられがちですが,そこには誰もが経験しうるピットフォール,すなわち,我々医師が学ぶべきことが,具体的な経験として集積されています。しくじり症例の提示に続いては,Difficult Patientに適切に対応するための具体的な技法を,要因分析とともにシナリオ化しています。さらに,その技法を今後の診療でどう活かしていくか提示しています。臨床経験豊富な執筆陣からの道標が,若手医師からベテラン医師まで,現場の先生方の新しい学びとなることを願ってやみません。
最後に,日本医事新報社編集部・荒井美幸氏の,企画を具体化し,より良い書籍を世に出すためのリードなしには,本書は成立しませんでした。また,本書の趣旨にご賛同頂き,英知と熱意を込めてご執筆頂いた先生方,さらに,本書作成の礎となる患者中心の医療を教えてくださった,師である生坂政臣先生,日々共に学んでいる先輩・後輩・友人,そして,陰ながら支えてくれている妻へ,この場を借りて感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

2020年12月
千葉大学医学部附属病院総合診療科/総合医療教育研修センター 鋪野紀好

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