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【他科への手紙】内科(感染症)→神経内科

No.4913 (2018年06月23日発行) P.55

根井貴仁 (日本医科大学付属病院医療安全管理部感染制御室室長)

登録日: 2018-06-20

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  • 神経内科で主に診療することが多い細菌性髄膜炎ですが、昼間に受診されて髄膜炎を疑う症例であればともかく、夜間に髄膜刺激症状を伴った患者が受診され、髄膜炎の診断のために緊急で腰椎穿刺を行うことがあるかと思われます。髄膜炎自体は内科で扱う緊急度のきわめて高い疾患であり、疑う症例にはなるべく30分以内には抗菌薬の投与を開始したいものです。

    髄膜炎も感染症ですから基本的には原因微生物を同定して、それに対する抗菌薬を選びます。ゆえに抗菌薬治療前に細菌同定のために必要な検体(血液や喀痰、尿など)を採取してから、抗菌薬の投与になると思われます。そんな中で髄膜炎の場合は血液と髄液を培養検査に提出されるかと思われます。ところが夜間に培養検査を開始できる施設は少ないでしょう。その際、培養のための髄液検体を冷蔵保存や室温でそのまま保存という対応はぜひ避けて下さい。必ずしも患者数が多いということではないのですが、髄膜炎菌(Neisseria meningiditis)の分離が不可能になります。これは髄膜炎菌が25°C未満の環境下にある場合、死滅してしまうことに起因します。

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