国立国際医療研究センターAMR臨床リファレンスセンターは6日、2017年の全国の抗菌薬販売量は2013年と比較して7.8%減少していたと発表した。
同センターによるとこの数値は、人口1000人、1日当たりの販売量をDefined Daily Dose(DDD)で除した数値(DID)で示している。
2013年から2016年までの全国の抗菌薬販売量は、13年14.95 DID、14年14.51 DID、15年14.73 DID、16年14.65 DIDとほとんど変化はなかったが、17年は13.78DIDで、13年と比較して7.8%の減少がみられた。
抗菌薬の種類別に減少率をみると、経口セファロスポリン系薬は14.2%、経口マクロライド系薬は13.5%、経口キノロン系薬は9.1%減少していた。
日本政府は2016年4月、20年までの5年間に実施すべき薬剤耐性対策を「アクションプラン」として取りまとめ、経口抗菌薬(セファロスポリン、マクロライド、フルオロキノロン)の使用を半減し、静注抗菌薬の使用量を2割削減することで、抗菌薬全体の使用量を2013年と比較して3分の2に減少させることを目指している。
同センターは抗菌薬販売量が減少した要因について「アクションプランに基づく様々な取り組みが行われたことが、今回の減少につながったと考えている」と分析している。
関連記事
対策進む、抗菌薬適正使用─診療所など外来での対応は。大曲貴夫氏に聞く【まとめてみました】
No.4915 (2018年07月07日発行) P.10
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=10253
特集:薬剤耐性問題から変わる感染症診療─抗菌薬処方のこれから
No.4870 (2017年08月26日発行) P.7
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=7830