第一三共は10月4日、国内初となる経鼻弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」を発売した。流通は3日より開始しており、2024/25シーズンの供給量は130万回分を予定している。
フルミストは、日本で初めて承認された低温馴化、温度感受性、弱毒化の特徴を持つ経鼻投与型のインフルエンザワクチン。鼻咽頭部でウイルスが増殖し、自然感染後に誘導される免疫と類似した局所抗体応答、全身における液性免疫・細胞性免疫の誘導が期待できるとされている。鼻腔内に噴霧するため、 針穿刺の必要がなく、注射部位反応もないことから、被接種者の心理的・身体的負担の軽減も期待されている。
第一三共は2015年に英アストラゼネカの子会社であるメディミューン(Medlmmune LLC)との間で、日本における同剤の開発・販売に関するライセンス契約を締結。2023年3月には国内製造販売承認を取得し、2024年8月に3価(A型2種、B型1種)ワクチンとして一部変更承認を取得している。
同剤の承認を受け、日本小児科学会は2024年9月に「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」を発表。2歳~19歳未満に対しては従来の不活性化インフルエンザHAワクチンと同剤を同等に推奨しながら、特に喘息患者には不活性化ワクチンの使用を推奨し、接種における注意点等を示している。
「フルミスト」の用法・用量
2歳以上19歳未満の者に、0.2mLを1回(各鼻腔内に0.1mLを1噴霧)、鼻腔内に噴霧する