関東地方を中心に風疹の届出数が例年より大幅に増加していることを受け、厚生労働省は8月14日付で、人の往来の多いお盆期間を経て全国的に感染が拡大する恐れがあると注意喚起した。臨床現場に対し、発熱や発疹を呈する患者を診察した際は海外渡航歴・国内旅行歴、風疹罹患歴・予防接種歴を聴取するなど、風疹を意識した診療を行うよう求めている。
国立感染症研究所の集計によると、7月23日~8月5日の2週間に38例の風疹の届出があり、その多くを30~50代の男性が占めていた。2017年度の感染症流行予測調査では、30代後半~50代の男性のうち約2割程度で風疹の抗体価が低いことが分かっている。
厚労省は、30代~50代の男性のうち、風疹罹患歴・予防接種歴が明らかでなく、風疹抗体陽性が確認できていない者に対し、任意で予防接種を受けることを推奨。妊婦感染による先天性風疹症候群を防止する観点から、①妊婦の夫・子ども・同居家族、②10代後半~40代の妊娠を希望する女性―にも、罹患歴・予防接種歴、抗体陽性が確認できていない場合は任意接種を検討することを求めている。