厚生労働省は3月15日、2024年度からの新型コロナワクチン定期接種について、接種費用は1回当たり1万5300円程度になることを全国の自治体に説明した。厚労省は被接種者の標準的な自己負担額を7000円と積算しており、超過分の8300円を市町村に助成金として支給する。
新型コロナワクチンを全額国費で賄う特例臨時接種は3月末で終了。4月1日以降は秋冬に自治体による定期接種が行われる。対象者は①65歳以上の者、②60~64歳の対象者(重篤な基礎疾患のある者等)。それ以外の時期、被接種者は全額自費の任意接種となる。
厚労省は昨年12月、新型コロナワクチンを定期接種化した場合に、接種費用を7000円(ワクチン代3260円、手技料3740円)と見込み、これを超過する分については助成金を支給する考えを示していた。今年2月、各ワクチンメーカーから希望小売価格(非公表)を聴取した結果、ワクチン代を1万1600円程度へと見直し、手技料分と合わせて接種費用を1万5300円程度と見込んだ。
今後、定期接種を行う医療機関は市町村と接種委託契約を結び、被接種者から市町村の定めた金額(国が示した標準額は7000円)を実費徴収する。ただし低所得者(生活保護受給者等)は無料とする。医療機関はさらに委託料を市町村に請求、その支払を受けることになる。市町村には国から1回当たり8300円が助成金として支給される。さらに低所得者分の負担を賄うため地方交付税措置(定期B類:3割)がとられることになる。
厚労省は特例臨時接種の終了に伴い、3月11日に事務連絡通知を発出。4月1日以降は特例臨時接種のワクチンは使用できないとして、「例外なく接種に使用することはせず、必ず廃棄すること」と自治体に指示した。医療機関が廃棄をしても差し支えないとしつつ、自治体に対し、廃棄量を把握して厚労省に報告するよう求めている。
また、特例臨時接種に使用するシリンジ、注射針、生理食塩水についてはできるだけ譲渡、売却など有効活用できる方法で処分するよう求めている。