厚生労働省の「第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会」は4月25日、新たに「健康増進に係る科学的な知見を踏まえた技術的事項に関するワーキンググループ(技術的事項WG)」を設置することを了承した。特定健診の健診項目と質問項目について、厚生労働科学研究や診療ガイドラインの改正を踏まえた技術的視点から検討し、検討会の議論に反映させる。
検討会は現在、「第4期特定健康診査等実施計画」(2024~29年度)に向け、特定健診・保健指導のあり方を検討している。昨年12月には、「効率的・効果的な実施方法等に関するワーキンググループ」を設置しており、今回新設が決まった技術的事項WGと検討会の三者で密に連携を図りながら、22年度中に最終的な見直し案をとりまとめる予定。これを受けて保険者は23年度中に第4期実施計画の策定作業を進めることになる。
この日の検討会は、特定保健指導の見直しの方向性についても議論した。厚労省は、個人の行動変容につながるよう、アウトカム評価の導入やICTの活用を通じて成果が出たことを評価する仕組みに転換していくことを提言。ICTの活用では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でICTを活用した遠隔面接等による保健指導のニーズが高まっていることから、個々の課題に対応できるような留意点などを「特定保健指導における情報通信技術を活用した指導の実施の手引き」や「標準的な健診・保健指導プログラム」で具体的に示し、ICTを活用した遠隔面接が有効な事例の普及につなげていく案を示した。
一方、アウトカム評価では保険者による積極的支援について、18年度から3カ月間の介入の成果を評価する「モデル実施」の選択が可能になっている。具体的には、腹囲2cm以上かつ体重2kg以上の目標達成などを評価しているが、ロコモティブシンドロームやフレイルの予防が優先されるべき高齢者では、このアウトカム指標が馴染まないとの指摘もある。そこで同省は、アウトカム評価を原則としつつ、従来の介入時間と手段に応じてポイントを付与するポイント制の評価も併用する案を示し、検討会での議論を求めた。