厚生労働省は28日、「2017年結核登録者情報調査年報」の集計結果を公表した。新登録結核患者は1万6789人(前年比836人減)で、うち外国生まれの患者は1530人(同192人増)と全体の9.1%を占める。
新登録患者を年齢階級別にみると、80~89歳が4822人と最も多く、70~79歳が3187人、60~69歳が2024人、90歳以上が1904人など、高齢層の占める割合が大きい。80~89歳は2014年以降減少傾向が続いている一方で、90歳以上は増加傾向にある。外国生まれの新登録患者では、20~29歳が774人、30~39歳が349人、40~49歳が143人など、20~40代で多くなっており、特に20~30代の増加幅が大きい。
また、新登録患者のうち有症状者の中で、受診が遅れた患者(発病~初診の期間が2カ月以上)の割合は20.8%となり、2002年以降で最高となった。30~59歳の有症状で菌喀痰塗抹陽性の肺結核患者に限定すると、受診が遅れた割合は35.0%に上る。
2017年の結核罹患率(人口10万対率)は13.3で、前年より0.6ポイント減少した。アジア諸国と比べると低いものの、1桁台の欧州や米国などと比べると高い水準となっている。都道府県別では、宮城(7.2)が最も低く、次いで福島(7.3)、山形(7.4)、秋田(8.0)、長野(8.1)の順に続く。最も高かったのは大阪(21.3)で、次いで長崎(16.8)、東京(16.1)、兵庫・徳島(ともに15.9)などとなっている。大阪府の中でも大阪市は罹患率が32.4と全国で最も高くなっている。