東京医大は25日に理事会を開き、林由起子主任教授(病態生理学)を新学長に決定したと発表した。就任は10月1日付。同大の学長としては初の女性。同大の前学長と前理事長は、文部科学省の私立大学支援事業を巡る汚職により贈賄罪で起訴され、7月に辞任していた。現在空席の理事長はまだ決まっていない。
林氏は1961年生まれ。86年東京医大卒。順天堂大、国立精神・神経センターを経て、2013年に東京医大神経生理学(現・病態生理学)主任教授に就任。16年から同大病院遺伝子診療センター副センター長も務める。
同大は医学部医学科の一般入試で、女子と多浪男子に対する得点調整を行った問題も発覚している。林氏は学長就任に当たりコメントを発表。同大の社会的信頼の失墜を「真摯に受け止め、全教職員と共に大学の新生に踏み出していきたい」とした上で、「今般の事案を徹底的に究明しながら、次年度より公正な入試を実施することと同時に、これまでに不利益を被った受験生への対応を誠実かつ適正に行っていく」としている。