財政制度等審議会財政制度分科会は9日、2019年度予算編成に向けて、社会保障費の議論をスタートした。
同日財務省は、少子高齢化の進展による「支え手(現役世代)」の減少が見込まれる中、高齢者が「支え手」となるために、予防医療の促進を重要な課題に位置付ける一方、「予防医療等による医療費や介護費の節減効果は定量的に明らかではなく、一部にはむしろ増大させるとの指摘もある」と主張。その上で、社会保障制度の持続性を確保するためには、医療・介護提供体制や給付と負担の見直しを含む社会保障制度全般を改革する必要性を指摘した。
個別課題としては、来年10月に予定している消費税率10%への引上げに伴う、医療機関の控除対象外消費税問題について、①医療保険制度内での対応とする、②総額において医療機関等が負担する仕入れ税額相当額の範囲内での対応とする、③各科間、診療所・病院間において、各々の仕入れ税額相当額の総額に基づき財源配分を行った上で、さらに各類型の中で看護配置基準別のデータも用いるなど、できる限り精緻な対応とする―との考えを提示。
新たな医薬品・医療技術の保険収載のあり方については、費用対効果や財政影響などの経済性の面からの評価も踏まえて可否を決める仕組みとしていくべき―としている。