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(1) 男性型脱毛症の診断[特集:ガイドラインに基づく男性型脱毛症診療]

No.4930 (2018年10月20日発行) P.28

内山真樹 (東京医科大学皮膚科学分野)

原田和俊 (東京医科大学皮膚科学分野准教授)

登録日: 2018-10-22

最終更新日: 2018-10-17

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男性型脱毛症は発症に男性ホルモンが関与する脱毛症である

臨床的に,前頭部と頭頂部の毛髪が軟毛化して薄くなるパターン化した脱毛を呈する

円形脱毛症,休止期脱毛症,瘢痕性脱毛症など,他の脱毛症と鑑別することが重要である

1. 男性型脱毛症の概念

男性型脱毛症は思春期以降に発症し,年齢とともに進行する脱毛症である1)。「壮年性脱毛」とも呼ばれ,生理的な現象であり器質的な疾患ではないが,外観上の印象に影響を与えるため,進行すると社会生活の中でのストレスは大きい。近年,男性型脱毛症の病態解明が進むとともに,有効な外用,内服薬の開発が進み,診療の現場で使用が可能となったが,依然として科学的根拠に欠ける無効な民間療法が横行していた。このような社会的背景を受け,わが国では日本皮膚科学会により2010年に「男性型脱毛症診療ガイドライン」が発表され2),2017年12月に改訂された3)。ガイドラインにより,男性型脱毛症に対して医師と患者の双方に複数の標準的治療法が提示されるようになった。本特集では,疾患概念,病態,鑑別疾患を含め男性型脱毛症の診断について解説する。

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