【質問者】
忽那賢志 国立国際医療研究センター 国際感染症センター国際感染症対策室医長/国際診療部副部長(兼任)
【カメラを入手,構図を決め,明るさを保ち,ぶれないように撮影。個人情報に十分配慮する】
臨床写真(clinical picture)は,臨床推論におけるDual process theory1)において一発診断(system 1)にとても有用なツールであり,多くのpeer review journalがその重要性を理解し,投稿を受け付けている。日本からも多くの素晴らしいclinical pictureがacceptされており2),2018年9月2日には第1回日本臨床写真学会学術集会が開催された3)。今後日本ではさらに盛んにclinical pictureが撮影されるだろう。
clinical pictureを撮る際のコツは,下記の4点である。
可能であればスマートフォンよりも自前のカメラがあるとよい。一眼レフが最も性能が高いが,実臨床では様々な場面で重要な所見が発生しうるため,持ち運びが便利であるかどうかも重要である。私は白衣のポケットに収納可能なデジタルカメラを持ち運んでいる。
撮像したい部位をできるだけ大きく撮像することは基本中の基本である。また,周囲にプライバシー/日時が同定できるものや,周辺の人物を排除した環境で撮像すべきである。
写真の美しさは「明るさ」で決まると言っても過言ではない。暗い場所では大事な所見があいまいになりがちなので,周囲の明るさを維持すべきである。また,レンズにリングライトが取り付けられるカメラだと,より明るい写真を撮像できる。
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