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冠動脈CTによる冠動脈病変診断の進歩

No.4937 (2018年12月08日発行) P.54

三木崇史 (岡山大学循環器内科)

伊藤 浩 (岡山大学循環器内科教授)

登録日: 2018-12-05

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【CTが冠動脈疾患の診断プロセスを変える】

長い間,冠動脈病変を解剖学的に評価するためのゴールドスタンダードは冠動脈造影検査(CAG)であった。64列MDCTが登場したことにより,造影CTを用いて外来で冠動脈疾患を診断することが可能となった。わが国ではMDCT装置の普及率が高いこともあり,冠動脈CTの施行件数は飛躍的に増加し,近年はCAG件数にせまる勢いである。

冠動脈CTは,冠動脈狭窄のみならずプラークの性状も評価できるという利点を持つ。血管の外側に膨らむように発達し(positive remodeling),CT値が低く(低輝度),微小石灰化を伴うプラークはハイリスクプラークに分類され,急性冠症候群(ACS)のリスクが高い1)。したがって,このような冠動脈プラークを有する患者は厳重なリスク管理を行う必要がある。このように,冠動脈CTを評価することが,治療介入の契機となり,将来のACSイベント抑制につながることを示唆するデータも示されてきている2)

2016年に改訂された英国のガイドラインでは,冠動脈CTは狭心症を疑う患者にfirst-lineで行う検査に位置づけられた。今後,わが国のガイドラインでも冠動脈CTの位置づけが,より重要なものになっていくことが予想される。

【文献】

1) Motoyama S, et al:J Am Coll Cardiol. 2007;50 (4):319-26.

2) SCOT-HEART investigators:Lancet. 2015;385 (9985):2383-91.

【解説】

三木崇史,伊藤 浩 岡山大学循環器内科 *教授

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