日本専門医機構の寺本民生理事長は25日の定例会見で、2019年9月頃にも基本領域の資格を取得した専門医がサブスペシャルティ領域に進めるよう、審査に取り掛かることを明らかにした。
寺本氏によると、機構はサブスペを認定するための「基本的な考え方」を策定。サブスぺに手挙げした学会へレビューシートを送り、各学会の専門医認定基準が基本的な考え方に沿っているかを審査するとしている。基本的な考え方には専門医像と社会的使命や基本領域学会の承認、国民的な認知度、専門医数・指導医数、専門医認定や更新の客観的基準などが盛り込まれているという。寺本氏は会見で、「基幹病院で名前の挙がっている専門科を基本としつつ、小児がんや難病など国民の需要の観点も含め、総合的に判断する」とした。機構は年内にもレビューシートを送付し、2019年4月中に本格的な審査を実施する。9月頃には基本領域の資格を取得した専門医がサブスペに進めるよう、体制を整備する方針。
認定が見込まれる領域数について寺本氏は、「これまでに80~90学会が手挙げしている」としつつ、「50~60領域が1つのラインだと思う」との認識を示した。機構が既に承認している23領域は認定する方向だという。
寺本氏はまた、11日に厚生労働省の「医道審議会医師分科会医師専門研修部会」で機構認定の専門医の広告に関する議論の開始が承認されたことも踏まえ、「広告の問題とサブスぺは私の念願だった。流れに乗ってきたかなと思っている」と期待を込めた。その上で、「今年の4月から制度が動き始めた。これからは制度が軌道に乗っていくべく動かしていくことが任務だと思っている」と2019年に向けての抱負を語った。
このほか、機構は、19年度に専門研修を開始する専攻医の一次募集を20日に締め切っている。登録状況について寺本氏は、8217人の応募があったとした上で、「今後も辞退があるので確定ではないが、現時点で8040人の採用がほぼ決まっている」と報告した。