丁寧な病歴聴取と身体診察から鑑別診断を絞り込む「攻める問診」で知られる、総合診療の第一人者。昨年12月に大学教授を辞し、新たな挑戦のフィールドとして選んだのは、長野県・諏訪での地域医療だ。
これまで「救急医療」「外来診療」「病棟総合診療」の3つを軸に活躍し、臨床教育にも力を注いできた。55歳の誕生日を迎え、「第一線で働くのはあと10年くらいかもしれない。やり残したことはないか」と考えた時に思い浮かんだのは、憧れだった開業医の祖父の姿とも重なる「地域医療」だった。「医師数が少なく、専門医も必ずしも病院にいないので、自分たちでできることは何でもやらないといけない。勉強の幅が大きく広がりました」
「地域での教育」にも意欲を示す。地域枠の出身者など、地域での勤務を義務づけられた若い医師が今後は着実に増加する。彼らが都会と変わらない教育を地域で受けられるシステムの確立こそ「残りの医師人生を賭してやるべきこと」と決意した。ベッドサイドでの診察技術の教育をさらに徹底してきたいと考えている。
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