株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

(3)抗ヒスタミン薬の使いわけ─薬剤科からの提言[特集:薬理学的にみる非鎮静性抗ヒスタミン薬の使用法]

No.4945 (2019年02月02日発行) P.36

大谷道輝 (杏雲堂病院薬剤科科長)

登録日: 2019-02-04

最終更新日: 2019-01-30

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

抗ヒスタミン薬の選択は年齢に注意する

抗ヒスタミン薬は肝機能・腎機能障害時の選択に注意する

第二世代の抗ヒスタミン薬でも鎮静性の薬がある

1. 抗ヒスタミン薬の歴史

抗ヒスタミン薬は「古くて新しい薬」と呼ばれるように,1930年代後半に初めて合成され1940年代前半にヒトに投与可能な抗ヒスタミン薬として,今でも使用されているジフェンヒドラミンが開発された。

最近では,ビラスチン,デスロラタジンおよびルパタジンが開発された。

一方,処方ベースではフェキソフェナジンが最も多く,オロパタジンが続いている。これら抗ヒスタミン薬の使いわけとポイントについて解説する。

2. 抗ヒスタミン薬選択のアルゴリズム

2017年,海外で主な第二世代の抗ヒスタミン薬選択のアルゴリズムが提案されている(図1)。ここでは蕁麻疹の治療に関するアルゴリズムを示したが,アレルギー性鼻炎に関するアルゴリズムも論文では提示されている1)

  

このアルゴリズムでは「疾患」「年齢」「合併症」「肝・腎機能」「生活様式(集中を要するか?)」によって抗ヒスタミン薬を選ぶようになっている。アレルギー性鼻炎および蕁麻疹いずれの疾患においても,有効性と安全性ではビラスチンとフェキソフェナジンが優れるとの結果になっている。

図1の注釈にあるように,ビラスチンでは心疾患患者や飲酒を好む患者に適していると記述されている。一方,デスロラタジン,セチリジン,レボセチリジン,ロラタジン,およびルパタジンでは,高齢者に処方する際には注意することが記述されている。

プレミアム会員向けコンテンツです(期間限定で無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

関連物件情報

もっと見る

page top