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プライマリ・ケアらしい女性医療─日常診療の中で女性のライフステージを意識する[プライマリ・ケアの理論と実践(4)]

No.4948 (2019年02月23日発行) P.8

中山明子 (大津ファミリークリニック院長)

登録日: 2019-02-21

最終更新日: 2019-02-20

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SUMMARY
女性はどのライフステージにあるかを踏まえ、プライバシーに配慮しながら診療を行う必要がある。プライマリ・ケア医が診断して治療できることも多く、普段から女性の健康問題を意識して関わっていくことが大切である。

KEYWORD
女性のライフステージ
小児期→思春期→性成熟期(妊娠・出産)→更年期→老年期と女性はダイナミックに身体的・心理的・社会的に変化がある。ライフステージを踏まえて診療を行う事が大切である。

中山明子(大津ファミリークリニック院長)

PROFILE
亀田総合病院・亀田ファミリークリニック館山にて家庭医療を学び、現在滋賀県の大津ファミリークリニックの院長。日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医、思春期保健相談士、日本母性内科学会幹事

POLICY・座右の銘
Happiness consists in activity. It is running steam, not a stagnant pool.

1女性のライフステージに応じたアプローチ

女性は,身体的にも心理的・社会的にもダイナミックな変化を経験する。その変化をふまえながら,女性の健康問題を診療していくことが大切である。また医師にも患者にもセンシティブな問題を扱うことへの不安があり,プライバシーに配慮しながら対応していく必要がある。

女性診療は産婦人科と思われていることも多いが,プライマリ・ケアの現場で相談し,治療ができることは多い。

1 思春期

思春期は,医師などの大人とのコミュニケーションが難しい時期である。風邪や予防接種などで受診する以外,10代が医療機関を訪れる機会は多くない。受診の際には月経歴などを確認する(表1)。思春期は月経不順になることが多く,3カ月以上無月経が続いていても無関心になっていることもある。月経痛について親にも友人にも相談できずに悩んでいることもある。また,性感染症を疑う場合は保護者に診察室から出ていただき問診や診察を行うなど,プライバシーに配慮することも重要である。不登校,起立性調節障害,摂食障害などを親から相談されることもめずらしくない。

家族や学校生活などの様々な要因が絡んで問題が起きていることも多く,プライバシーに配慮した,話しやすい雰囲気作りが欠かせない。

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