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遊離皮弁術後のモニタリングと皮弁救済の最適解は?

No.4950 (2019年03月09日発行) P.60

秋田新介 (千葉大学医学部形成外科診療講師)

雑賀厚臣 (雪の聖母会聖マリア病院形成外科診療部長)

登録日: 2019-03-06

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  • 遊離皮弁の技術が発達し,皮弁を失うリスクが軽減してきた一方で,皮弁を失った場合のダメージがきわめて大きいことに変わりはありません。遊離皮弁術後の管理,皮弁モニタリング,救済手法として,現在のbest practiceは何でしょうか。
    聖マリア病院・雑賀厚臣先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    秋田新介 千葉大学医学部形成外科診療講師


    【回答】

    【遊離皮弁の「命綱」,intra-flap vascular catheterization法】

    遊離皮弁の生着率・再手術率に関する海外の文献を探しますと,海外で遊離皮弁手術をたくさん行っている大規模施設での成績で,生着率99%(壊死率1%),再手術率2〜4%というのが,一般的な数字のようです。

    再手術率4%を,高いと見るか低いと見るかは人それぞれですが,アイスのガリガリ君の当たり確率が4%とみるならば,意外に高いという印象を受けるのではないでしょうか。壊死率1%というのは,あまり比較対象がありませんが,ポーカーでスリーカードの出る確率が2%ということですから,それよりも稀ということになります。ちなみにフルハウスの出る確率は0.14%とのことです。

    しかし,遊離皮弁というのは必ずしも大規模施設で,厳選された適応症例のみに行うものではありません。一般的な病院で,様々なリスクのある症例に行った場合は,ここまで良好な成績を上げるのは,実際のところ困難です。多少ハイリスクであったとしても,手術が患者の利益につながるならば,遊離皮弁を選択せざるをえないこともあります。ハイリスクの症例が続くと,施設の成績はあっという間に下がってしまいます。このように考えますと,遊離皮弁の成功率は,まだ低いと言えるのかもしれません。

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