【質問者】
市岡 滋 埼玉医科大学形成外科・美容外科教授
【地域密着型の病院で形成外科は意外に? 活躍の場がある】
形成外科分野では,日本形成外科学会が1958年に設立されました。比較的新しい診療科といえます。また,臓器の名称ではないので一般の方々はもとより医療従事者にも,その診療内容があまり認知されていない側面があります。
主な診療内容は,熱傷,褥瘡,外傷などの創傷治療およびその瘢痕治療,表在性の先天異常,表在性良性・悪性腫瘍の切除と再建,頭頸部癌手術の再建,乳癌手術時の乳房再建,美容外科などが主体となっています。そのため,主に大学病院や都市部の総合病院に活動の場がありましたが,専門医制度では基本診療域に入っており,今後,地方へも形成外科医の進出が増えると思います。筆者も長く大学病院に在籍していましたが,福岡県の東部にある106床の地域密着型病院へ移籍しました。
当院は一般病床,地域包括ケア病床,療養病床の混合型で,内科診療が主体の病院で局所麻酔での手術が可能な体制をとっています。そこでの経験をふまえて,形成外科の中小病院での主な役割,1人勤務でも可能な診療を列挙します。
残り724文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する