医薬品の添付文書の記載要領が20年ぶりに改正され、「原則禁忌」が廃止されることを踏まえ、薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会は11日、催眠鎮静薬のアモバルビタールなどの薬剤について、原則禁忌の記載事項の禁忌への移行(下掲)を審議し、決定した。厚生労働省は近く、製造販売業者に「使用上の注意」の改訂を指示する。
4月以降に適用される新記載要領では、医師・薬剤師の間でも解釈にバラツキがある「原則禁忌」と「慎重投与」の項目が廃止になる。高齢者、妊産婦・授乳婦、小児等に関する注意は新設の「特定の背景を有する患者に関する注意」に集約し、一部の原則禁忌は禁忌として再設定する。
①アモバルビタール、セコバルビタールナトリウム、ペントバルビタールカルシウム(催眠鎮静薬):原則禁忌の「急性間歇性ポルフィリン症の患者」を禁忌へ移行
②ヒドロキシエチルデンプン70000(代用血漿):原則禁忌の「発疹等過敏症の既往歴のある患者」を禁忌へ移行
③バルプロ酸ナトリウム(抗てんかん薬):原則禁忌の「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人」について、「片頭痛発作の発症抑制」に用いる場合は禁忌とする。ただし「各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療」と「躁病および躁うつ病の躁状態の治療」に用いる場合は禁忌としない
④ペニシラミン(抗リウマチ薬):関節リウマチにおける原則禁忌の「骨髄機能の低下している患者」を禁忌へ移行
⑤セフェム系、ペニシリン系、グリコペプチド系、ペネム系、カルバペネム系の抗生物質:原則禁忌の「本剤の成分(又は○○系抗生物質)に対し過敏症の既往歴のある患者」を禁忌へ移行。「「本剤の成分」に対し過敏症の既往歴のある患者」と改める