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■NEWS シリンジポンプの注射器交換時の薬剤取り違えで注意喚起―医療安全情報

No.5236 (2024年08月31日発行) P.70

登録日: 2024-08-23

最終更新日: 2024-08-23

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日本医療機能評価機構は815日に公表した「医療安全情報No.213」で、シリンジポンプの注射器の交換間違いを取り上げ、注意を喚起した。

20201月〜246月までの間に、複数の薬剤をシリンジポンプで投与中に注射器の交換を誤り、別の薬剤の注射器を接続して投与した事例の報告が7件あった。今回の医療安全情報ではこのうち2例の事故発生経緯を紹介した。

それによると、事例1は苦痛緩和目的で患者にミダゾラム調製液とモルヒネ塩酸塩調製液をそれぞれシリンジポンプで持続投与していた最中に起きた。先にモルヒネ塩酸塩調製液のシリンジポンプの残量アラームが鳴った際、看護師はミダゾラム調製液のアラームが鳴っていると誤認。患者のリストバンドと交換する注射器のラベルをバーコード認証すると、電子カルテの画面に患者にオーダーされた薬剤であることを示す丸印が表示されたことから、正しいという確信をいっそう深めてしまった。

このため、空の注射器のラベルと交換する注射器のラベルの薬剤名の照合や、シリンジポンプに貼付している「モルヒネ塩酸塩」のラベルの確認を行うことなく、ミダゾラム調製液の注射器をセットして投与を開始。後になって2台のシリンジポンプでミダゾラム調製液を投与していたことが発覚した。

事例2では、手術中の患者にレミフェンタニル調製液とノルアドレナリン調製液をそれぞれシリンジポンプで持続投与していた。レミフェンタニル調製液の注射器を交換する際、麻酔科医師は薬剤名の確認をせず、思い込みでノルアドレナリン調製液の注射器をセットして投与を開始。その後、血圧が上昇したためにシリンジポンプを確認した結果、2台のシリンジポンプでノルアドレナリン調製液を投与していたことが明らかになった。

事例が発生した医療機関ではその後、再発防止のため、シリンジポンプの注射器を交換する際に、空になった注射器のラベルやシリンジポンプに貼付しているラベルと、交換する注射器のラベルの薬剤名を照合する対策が講じられている。

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