日本医療機能評価機構は2月17日、「医療安全情報No.219」を公表した。入院患者に無線式送信機を装着した際にセントラルモニタに送信機番号を登録し忘れたことが原因で、生体情報がセントラルモニタに表示されていなかった事例を取り上げ、注意を喚起した。
こうした事例は2020年1月から24年12月までの間に7件報告された。その中には、患者が心肺停止状態に陥った深刻な事例も含まれる。
代表的な事例をみると、事例1では日勤のリーダー看護師が緊急入院する患者の病室に無線式送信機を準備、担当看護師が患者に送信機を装着したが、すでにリーダー看護師がセントラルモニタに送信機番号を登録したと思い込み、セントラルモニタを見ていなかった。加えて夜勤看護師も、セントラルモニタに患者の心電図波形やSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)が表示されていないことに気づかなかった。
翌日、日勤看護師が送信機の画面でSpO2が90%に低下していることに気づき、セントラルモニタと連動しているはずのナースコールが鳴動しなかったため確認したところ、送信機番号が未登録であることが判明した。
事例2では、医師からの心電図モニタリングの指示を受け、看護師が夜間に緊急入院した患者に無線式送信機を装着した際、セントラルモニタに送信機番号を登録する必要があったにも関わらず、別の業務をしている間に失念してしまった。看護師はその後、定期的に訪室して患者を観察していたがセントラルモニタは見ておらず、早朝の訪室時に患者が心肺停止状態になっていることに気づいた。
同機構は事例が発生した医療機関において、(1)患者に無線式送信機を装着する前にセントラルモニタに番号を登録する、(2)患者に送信機を装着後、すぐにセントラルモニタに心電図の波形やSpO2の値が表示されていることを確認する、(3)リーダー看護師は、モニタリングの指示が出ている患者の一覧とセントラルモニタに表示されている患者名を確認する―といった再発防止策が講じられていることを紹介した。