専門医制度の基本領域とサブスペシャルティ領域の連動研修について、医道審議会医師分科会医師専門研修部会は22日、サブスペについて検討するための情報が不十分であることを理由として、4月からの開始の見送りを決定した。日本専門医機構は4月から連動研修を開始する予定だったが、この決定を受けて、予定の変更を迫られることになった。
同日の部会で厚労省は、昨年改正された医師法では、日本専門医機構等、医学医術に関する学術団体は、都道府県知事や厚生労働大臣の意見を反映させる努力義務が課せられていることを説明。さらに、連動研修が導入されることで、サブスペ領域において指導医がいない連携施設などで専攻医が研修できなくなる、あるいはしなくなること等が予想されるとの懸念を示した。
その上で、今後のサブスペに関する厚労省案として「医師法に基づき厚生労働大臣と都道府県知事に意見を聴くための、サブスペ領域研修に関する情報(整備指針、各領域認定の研修施設、期間等)が不十分であり、 サブスペ領域そのもののあり方についても慎重かつ十分な議論が必要であるため、2019年4月からの専門医機構認定の連動研修は開始を見送るべきではないか」と提示。さらに、同部会においてサブスペを含めた専門研修のあり方の見直しについて検討することなどを提案した。
この対応案について委員が支持する一方で、見送りによる専攻医への影響を懸念する声が上がった。そのため厚労省部会は、専攻医に不利益が及ばないような対応を取ることを前提として、4月からの開始の見送りを決定した。
参考人として出席していた日本専門医機構の寺本民生理事長は部会終了後、記者団に対し、同日の部会の決定等について専攻医と研修プログラムの統括責任者に対し、28日の機構の社員総会までに個別に連絡する考えを示した。