早いもので、私も内科医として既に30年の歳月を過ごしました。私がまだ若く、広く内科を学んでいた頃、学んだ「腹部超音波検査」や「上部消化管内視鏡検査」は、その後の医師としての人生で大変役に立ちました。前者は内科医として夜間や休日の救急外来を担当する際に役に立ちました。また、後者は循環器内科医として「経食道心エコー検査」を始めるときに、口から入れる内視鏡を扱った経験がとても役立ちました。
私が循環器内科を専攻し始めた頃は、「冠動脈造影検査」さえ、70歳以上には施行しない(禁忌)という時代でした。それが今では、年齢に関係なく、冠動脈造影どころか、冠動脈内ステント留置術まで、何の戸惑いもなく施行するようになりました。当然その背景には、カテーテル検査や治療の安全性の確立があったわけですが、冠動脈内の、しかも動脈硬化性プラークがある場所に金属異物であるステントを留置するという治療には、血栓形成予防のために、通常、どうしても2剤併用抗血小板療法(DAPT)が不可欠となります。
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