皆さん,ごきげんよう。『Dr.ヒロの学び直し! 心電図塾』では,既に心電図上に登場するノイズ(雑音)について解説しています(No.5273,第75回参照)。その知識に関連して,今回は,心電計に内蔵されたフィルタについて基本的なことをお話ししようと思います*1。なお,カタカナ表記の件ですが,過去回同様,「フィルタ」という表現で統一しました。
内容的には,難しいと敬遠したくなる人もいるかもしれませんが,わかりやすく解説します。では,スタートです!
はじめに,基本的な用語だけ解説します。波の特性を語る上で,どうしても必要となるのが周波数という言葉です。これは「1秒間に何回“揺(振)れる”波か」(振動数)を表す概念です。つまり,“周期いくつ分”ということで,単位は“ヘルツ”(Hz)だと,学生時代に習ったかもしれません。1秒間に1回“揺れる”(振動する)波ならば,周波数は「1Hz」になります。交流(AC,ハム)の場合でしたら,その50〜60倍(50Hzまたは60Hz)というわけです(No.5273,第75回参照)。