急性めまいは内科、救急科、そして耳鼻咽喉科外来で比較的よく遭遇する症状です。めまいを訴え受診する患者さんの大部分は末梢性めまいです。しかしながら、その中に危険なめまい、いわゆる中枢性めまい(isolated vertigo,solo vertigo)が存在する可能性があり,診断に注意が必要です。
通常、脳幹や小脳の梗塞および出血では、多彩な運動・感覚障害などの神経症状や起立歩行障害をきたすことが多いのですが、時として自覚症状がめまいのみで、ほかの神経症状を認めない中枢性めまいがあります。
そのような患者さんが、内科や救急科外来を最初に受診し、末梢性めまいの疑いとして耳鼻咽喉科に紹介され、実は中枢性めまいであったケースが少なくありません。
当院は約550床で、岡山市内の中核を担う総合病院です。約2年の間に、内科や救急科外来で末梢性めまいの疑いにて耳鼻咽喉科を紹介受診され、結果的に中枢性めまいだった患者さんが5人いました。
めまい発作は全員初めてで、1人は浮動性めまいでしたが、ほかの4人は末梢性めまいと区別がつきにくい回転性めまいを訴えていました。年齢は一番若い人で57歳、平均67.4歳でした。
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