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不正発見とペナルティ[開業医が知っておきたい税務調査の基礎知識(4)]

No.4962 (2019年06月01日発行) P.52

西岡篤志 (税理士)

登録日: 2019-05-31

最終更新日: 2019-05-28

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1本の電話から始まる税務調査。調査が決まったときには、もう手遅れかもしれません。なぜなら、税務調査は過去の申告に対して行われるもの、既に経費として落としてしまった領収書の「言い訳」にも限界があります。税務調査は、開業以来10年以上も入っていなかったのに、突然入るということもあります。開業医に対する税務調査はどのような流れで行われ、どのようなことが問題になるのか、あらかじめ分かっていれば落ち着いて対応できます。税務調査の手続きから指摘されるポイントまで、分かりやすく解説します。

1 不正発見の手法

税務調査官は、短い調査日程の中で、提出された申告書だけでは把握できない情報を効率的に入手し、申告書の内容に非違がないかを見つけ出すための様々な調査手法を持っています。

その中でも最も高度な手法は「質問」です。わずかな時間の質問によって、クリニックのお金の流れをイメージし、その回答から、実態が明らかでないことや不正な経理処理の疑いのあることなどを見極めます。

税務調査で行われる開業医本人に対するヒアリングでは、開業からの経緯、診療内容や特徴、診察から会計までの流れ、そのほかに人付き合いや趣味の話まで、まるで世間話のように院長先生が話しやすい状況を作りながら、あらかじめ準備してきたチェックポイントを探っています。このとき、税務調査官は、質問に対する回答の内容だけでなく、答えるときの態度や話しぶりも観察し、説明の妥当性や信憑性の判断材料にしています。

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