心室内刺激伝導路はHis束以下の心室膜様部直下で,まず左脚が分枝しそのまま右脚に移行し,心室中隔右室側心内膜下を右室前乳頭筋基部まで走行する。左脚は主幹部に続き,前枝と後枝に分岐する。左脚ブロックとは,刺激伝導系の左脚本幹またはその分岐に障害があって心室内伝導障害が起こり,左室の興奮に遅延が生じるものである。分枝(前枝,後枝)の興奮伝導が障害されたものを脚枝ブロック(ヘミブロック)と言う。解剖学的に,細く長い右脚には基礎心疾患がなくても伝導障害が生じやすいが,左脚ブロックは基礎心疾患があることが多い1)2)。
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