今年1月に算定が凍結された妊婦加算を巡り、厚生労働省の「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」(座長:五十嵐隆 国立成育医療研究センター理事長)は6日、そのままの形での再開は不適当とする議論の取りまとめ案を了承した。報酬上の評価の要件・名称については、2020年度改定に向け、中央社会保険医療協議会で検討される。
取りまとめ案では、妊産婦に対する「相談・支援」「連携体制の構築」「健診や診療の評価等」について、今後取り組むべき施策の方向性を示している。
診療の評価に関しては、「妊産婦の診療には、通常より慎重な対応や、胎児や乳児への配慮が必要」と指摘。そうした診療を報酬上評価することの必要性は認めた。ただし、単に妊婦を診察しただけで初・再診料に半ば自動的に上乗せされる形での再開は「適当でないと考えられる」とした。
また、妊産婦が健診以外で受診した際の自己負担については、妊産婦でない患者との公平性にも配慮しつつ、妊娠・出産を望む人にとって阻害要因とならない仕組みを「引き続き検討すべき」とした。自治体独自の助成制度の周知強化も求めている。
診療報酬上の評価に関する事項は中医協で議論されるため、取りまとめ案では明示的に言及していないものの、文書による診察・薬の内容の説明や、産婦人科の主治医への適切な情報提供が「重要」との認識を示しており、これらを評価の要件に組み込む方向で検討が進む可能性がある。