厚生労働省は14日、ポリファーマシーを防ぐための診療や処方の際の参考情報を医療現場に提供する「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編〔療養環境別〕)」を都道府県などに通知した。
これは、厚労省が昨年5月に作成した「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」を補完するもの。患者の病態、生活、環境の移行に伴い、留意すべき点が変化することを念頭に、患者の療養環境ごとに処方確認・見直しの考え方、療養環境移行時や移行後、処方検討時の留意点等について記載した。
療養環境は「外来・在宅医療・特別養護老人ホーム等の常勤の医師が配置されていない施設」「急性期後の回復期・慢性期の入院医療」「その他の療養環境(常勤の医師が配置されている介護施設等)」に3分類。
このうち、「外来・在宅医療―」では、処方検討時の留意点として、診療科・医療機関が複数あるために全体像を把握できないことが多いと指摘し「お薬手帳などで重複処方や薬歴を把握しながら、処方理由も含めて確認することが重要」と強調した。処方の減量・中止に関しては、「患者本人が薬を管理しなければならないことが多いため、服薬アドヒアランスを確認しつつ、効果と薬物有害事象の評価を行うことが重要」と注意喚起している。
このほか、総論に添付された「高齢者で汎用される薬剤の基本的な留意点」に薬効群を追加。認知症薬、骨粗鬆症薬、COPD薬、緩和医療で使用される薬剤―の4種類に関して注意点を記載した。また、実例を基にした処方見直しの事例集も付記している。