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自科の常識は他科の非常識?【聞かせてください! 現場のホンネ】(95)

No.4968 (2019年07月13日発行) P.64

登録日: 2019-07-16

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自分の診療科で“常識”として通用しているルールや慣習は、もしかしたら他科では“非常識”かもしれません。6月募集のアンケートでは、他科で常識とされている知識・習慣・慣例に接して戸惑った経験や、自科で当たり前と思っていたのに他科の医師に驚かれたエピソードなどをお尋ねしました。他科の医師が自科をどう見ているのか、その一端がうかがえるエピソードが集まりました。他科との相互理解や連携に役立てば幸いです。

他科での“常識”に戸惑ったりびっくりした経験

◉産婦人科は下腹部の縫合を最後にホチキスで留めることが多い。縫合痕修正でよく美容外科に回って来る。 (美容外科/開業医)

◉他大学の話だが、外科で縫合した傷すべてにゲンタマイシンを塗布していたこと。(内科/開業医)

◉大量出血しても妊婦は強い。(内科/開業医)

◉ある小児科で、治療中に発熱またはCRPが1回でも上昇したら抗菌薬を替えるか新しい抗菌薬を追加する、というルールが存在していた。(内科/勤務医)

◉他科ではほとんど全ての足の皮疹の患者さんに水虫薬を処方している。足部の皮疹は水虫だけではない。 (皮膚科/開業医)

◉外科医がオペ中に針やメスで自分がケガをしてもあまり気にしない点。(内科/勤務医)

◉腎臓を守るため、絞扼性イレウスの診断を目的として造影での撮影が考えられる状況でも単純造影で撮影依頼があった。(放射線科/開業医)

◉「カルナクリン」など、他の領域では効果がなく使われなくなった薬が眼科では今も使われている。 (内科/開業医)

◉精神神経科。医療面接に時間をかけるためか、予約枠がいつも先まで埋まっていて、受診予約がなかなか取れない。(内科/勤務医)

◉一般内科でストレス因が濃厚だと器質疾患を疑わず、すぐに「デパス」が処方されたりすること。 (心療内科/勤務医)

他科の医師にびっくりされた自科の“常識”にまつわるエピソード

◉神経自己免疫疾患に対してステロイドのパルス療法を行ったところ、消化器内科のDr.から「えーっ」と言われた。(神経内科/勤務医)

◉メーカーやマスコミが経鼻内視鏡を持ち上げてあおっているため、患者や他科のDr.までもが、内視鏡医は全員経鼻内視鏡ができると思っている。操作性、画質など、未だに経口より劣っている。 (消化器内科/開業医)

◉大学病院では週1回の教授回診(脳神経内科)が13時半に始まり6時間ほどかかりました。他科よりはるかに長いと評判でした。しかし昭和の頃は9時間ほどかかり、寝ている患者さんを起こしながら回っていたそうです。(脳神経内科/勤務医)

◉医師が患者の退院先の調整、ケアマネや老健、特養とのやりとりにまで全部関わっていること。 (総合診療科/勤務医)

◉精神科の慢性期病院では疥癬が定期的に流行し、それをきっかけに水疱性類天疱瘡になる人が割と多い。だから精神科医はイベルメクチンや「スミスリン」のローションをよく処方している、と皮膚科の友人に言ったら驚かれた。(精神科/勤務医)

◉眼科では抗生剤とステロイド剤を併用し点眼します。例として「クラビット」と「フルメトロン」。内科医からは非常識と言われました。ですから手術の時には他科のDr.に眼科の常識を先に説明することにしています。(眼科/開業医)

◉通常使用する歯科用リドカインにエピネフリンが添加されていること。(歯科/開業医)

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