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■NEWS コンゴ民主共和国とウガンダへの渡航歴のある患者、「エボラ念頭に診療を」─厚労省事務連絡

No.4970 (2019年07月27日発行) P.68

登録日: 2019-07-19

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厚生労働省は18日付で、中部アフリカのコンゴ民主共和国(旧ザイール)とウガンダへの渡航歴のある患者が医療機関を受診した場合、エボラ出血熱(エボラウイルス病;EVD)を念頭に置いた診療を求める事務連絡を発出した。日本医師会に周知を依頼した。

世界保健機関(WHO)がコンゴ民主共和国におけるEVDのアウトブレイクについて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したことを受けた対応。

厚労省と国立感染症研究所によると、EVDは感染者の体液やウイルスを保有する動物の死体に触れることで感染する。潜伏期間は2~21日程度。発症は突発的で、発熱、倦怠感、食欲低下、頭痛などを呈した後、嘔吐や下痢などの消化器症状がみられる。

WHOによると、コンゴ民主共和国におけるEVDのアウトブレイクは昨年8月1日に始まり、今年7月14日までに約2500例の患者が報告、うち1600人以上が死亡した。6月には隣国のウガンダでも発生が確認され、西アフリカで1万人以上の死者を出した14~16年のアウトブレイクに次ぐ深刻な事態になりつつある。

緊急事態宣言を受け、厚労省は検疫体制の強化を発表。コンゴ民主共和国とウガンダからの入国者に対し、入国後21日間、朝夕の体温と健康状態について検疫所への報告を求めることとした。両国への渡航者に対する注意喚起も強化する。

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