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鶏眼(うおのめ)・胼胝腫(たこ)[私の治療]

No.4976 (2019年09月07日発行) P.48

夏賀 健 (北海道大学病院皮膚科講師)

登録日: 2019-09-05

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  • 鶏眼(いわゆる「うおのめ」),胼胝腫(いわゆる「たこ」)は,持続性の外的刺激を背景として生じる,表皮の過角化による病変である1)2)。高齢者やアスリート,さらには糖尿病患者の足底が好発部位であるが,持続性の摩擦・圧迫を受ける場所であれば,手掌などの足底以外の部位にも出現する。靴や装具による皮膚への接触部位に生じることが多い。

    ▶診断のポイント

    鶏眼・胼胝腫ともに皮膚に黄色調の硬い角化性病変を認めるため,診断は容易である。皮膚の深部方向へ楔状に過角化を呈するために有痛性であるものを鶏眼,平坦に過角化して無痛性であるものを胼胝腫として区別している。

    病変部に慢性刺激を与える靴,義足などの装具,骨の突出など,鶏眼・胼胝腫を引き起こす原因を同定する。胼胝腫では,足底の病変のほかに,坐位の摩擦によって足背に生じる座りだこや,筆記具を持つ利き手の中指末節骨に生じるペンだこがよく知られており,生活習慣が発症に関与している。鶏眼・胼胝腫の主な鑑別診断は,足底に生じる尋常性疣贅である。肉眼あるいはダーモスコピーによる観察で,病変に点状出血を伴っていれば尋常性疣贅と診断できる。鶏眼・胼胝腫では保存的治療が基本だが,尋常性疣贅では凍結凝固療法を行うなど治療法が異なっており,両者を適切に鑑別することが重要である。

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